法人の噂・真相

TATERU(タテル)最新決算発表、136名の早期退職/不祥事/業務停止命令/IoT/アパートメントなど

【本記事においてはアフィリエイトやその他の収益を目的として、試供品または取材費をいただいて記事を掲載しています】


昨日(2019年8月8日)、TATERU(タテル)において最新決算のリリースがされました。

詳しくはリンクを貼っておきますのでご覧ください。

2019年12月期 第2四半期決算説明資料

2019年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

 

今まで未発表とされていた通期決算の予想も出されたことにより、早速各メディアが取り上げています。

日本経済新聞 ⇒ TATERUの19年12月期、105億円の最終赤字に 減損や資産売却で損失計上で

 

2019年12月期の通期決算は約105億円の最終赤字になるとの予想が発表されました。

 

また、実施が発表されていた早期退職優遇制度についての結果報告もありました。

早期退職優遇制度について詳しく知りたい方はコチラの記事にまとめてますので参考にして下さい。

 

さらに、新たに不動産企画開発事業を開始することを発表し、IoTを活用した不動産企画開発のバリューアップにも取り組んでいくようです。

テクノロジーを活用した不動産企画開発事業スタート!プロジェクト第一号、東京都渋谷区恵比寿にて始動

 

今回の決算発表に投資家や株価、既存のオーナーはどのような反応をしたのでしょうか?

記事にまとめましたので、ぜひご覧ください。

 

2019年12月期 第2四半期累計は売上高143億円、純利益89億円の赤字

まずは第2四半期の決算について見ていきましょう。

第2四半期までの累計は売上高が約143億円、営業利益が約65億円の赤字、最終的な純利益は約89億円の赤字となったようです。

すでに発表されていた販売用不動産の一括売却に関する売上が計上され、それに伴う損失が営業利益に影響を与えているほか、減損損失を計上したことによって最終的な純利益も赤字になっています。

これまで財務強化に関するIRニュースが出ていましたが、今回はそれらに関連する損失が計上されており、この点については市場の予想通りだったと言えるでしょう。

2019年12月期通期の決算予想が公表。売上高は195億円、純利益105億円の赤字見通し

これまで合理的な予想が難しいとされていた通期の決算予想についても公表されました。

2019年12月期通期で売上高が約195億円、営業利益が約79億円の赤字、最終的な純利益は約105億円になる見通しのようです。

恐らくこれまでの財務強化がある程度落ち着いたことから、経営危機は一定の回避をし、今回の業績見通しの公表に繋がったのでしょう。

投資家の中には倒産を心配する声も未だにありましたから、今回の業績見通しの発表は市場にとってはある程度の安心感を与えるものであったと考えられます。

減損損失の計上及び 2019 年 12 月期通期連結業績予想に関するお知らせ

業務停止命令の影響はあったのか?

TATERU(タテル)といえば、国土交通省から7月12~18日までの1週間に渡って業務停止命令を受けていました。

アパートの施工、管理を手掛ける東証1部上場のTATERUが建設資金の借入希望者の預金データを改ざんしていた問題で、国土交通省は28日、宅地建物取引業法に基づく業務停止命令を出した。期間は7月12~18日の1週間で、同法に関わる業務ができなくなる。組織ぐるみの改ざんや不正が全国に広がっていたことを悪質と判断した。

TATERUに業務停止命令 融資資料改ざん – 日本経済新聞

既存オーナー向けの管理業務等は対象外とされましたが、業務停止命令の期間中は宅地建物取引業法に関わる業務を停止していました。

当初、各メディアの報道では業務停止の期間については触れられてなく、長期間に渡って業務停止になった場合の経営へのダメージを懸念する声もありました。

しかし実際には1週間という期間に決定したため、深刻な影響はないだろうと安堵する投資家が目立ちました。

大きな株価の変動はなし。世界経済の影響を受けている?

昨日公表された決算発表のあと、本日の市場の動きは落ち着いています。

8月8日の終値は161円、翌9日の始値は191円と大きく上昇しております。

恐らくこのあたりの値動きで落ち着くものだと思われます。

直近では米中の貿易摩擦の懸念から不安材料が多く、全体的に株価が下がっていましたが、米株高を支えに9日は小幅に上昇しています。

TATERU(タテル)株においても、日本経済全体の動きに影響されている可能性が高く、今回の決算発表が特段の悪材料になることは無さそうです。

日本経済新聞 ⇒ 米株高が支えに 米中対立には警戒(先読み株式相場)

大きな悪材料は無し、一方で好材料はあったのか・・・?

大きな悪材料が無かったことから、株価の大きな下落は無かった一方で、今回の業績発表において好材料は見られたのでしょうか。

早期退職優遇制度は136名の実施が決定

最も投資家にとって大きかったのは早期退職優遇制度の実施結果の公表でしょう。

約160名の募集に対して、136名の実施が発表され、販管費の削減に繋がっています。

TATERU(タテル)の有価証券報告書を確認すると、平成30年12月31日時点での平均年間給与は、約719万円ですから、結果として

136名 × 719万円 = 約9.8億円/年

の削減に繋がったことになります。

ただし、早期退職に伴って特別退職金などの支給を行っていますから、約2.8億円の特別損失を計上する見込みです。

上場廃止の懸念はあるのか?

TATERU(タテル)の不祥事発覚から約1年が経過しましたが、投資家の中には上場廃止を懸念する声も未だに残っています。

今回の決算発表の中でも「継続企業の前提に関する重要事項等」の項目があり、「当面の事業活動の継続性に懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。」と発表されています。

四半期報告書-第14期第2四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

大きな株価の変動が無かったことからも、上場廃止の可能性は当面ないといっても大丈夫でしょう。

今後の復活劇に注目したいところですね。

ユーザーや投資家の反応は?

ユーザーの中には、管理部門の安定的な運用を評価し、今後に期待する声が見られました。

実際に決算資料を見てみると、高い入居率を推移しており、管理部門は安定的な運用を続けていると言えそうです。

決算短信の中では、「継続企業の前提に関する重要事象等」で次のような記載があります。

 当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義が存在しておりますが、当第2四半期連結会計期間末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
 なお、TATERU Apartment事業の再構築とRobot Home事業やスマートホテル事業の確立・拡大に取り組むことで、継続企業として安定的な収益の確保を図ってまいります。

今後はTATERU Apartment(タテルアパートメント)事業の立て直しと、IoT関連事業を伸ばしていくことで収益の確保に動いていくようです。

更に新しい情報がありましたら随時更新してまいります。