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安田隆夫はなぜ一代で日本一になったのか【ドンキ/PPIH】

安田隆夫

 

みなさん、このキャラクターを一度は見たことがあるのではないでしょうか?↓↓

ドン・キホーテ

今回はドン・キホーテ(現パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)を一代で築き上げた安田隆夫氏についてご紹介します。

経営に対する考え方や彼が挑戦してきた経営方法について、彼の執筆した経営に関する自伝本をもとに探っていきたいと思います。

また、現在も成長を続けるドン・キホーテの強みや口コミも調査していきましょう。

安田隆夫氏の小売業界における経営戦略とは

さて、まずは安田氏が記した著書の内容を見てみましょう。

著書「流通革命への破天荒な挑戦!」の中では彼がどのような取り組みをしているのかについて記述されています。

流通革命への破天荒な挑戦!

まず一番目を引くのはドン・キホーテ社の経営のコンセプトだと思います。

ディスカウントストアなどの小売業においては、通常のマーケティングではマーケティングミックス(4P/5P)と言われる指標がよく用いられますよね。

4P/5Pとは
  • 製品(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • プロモーション(Promotion)
  • 人々(People)
  • 包装(Package)

もちろん同社もこのマーケティングミックスについては抑えているとは思いますが、安田氏は別のコンセプトを持っておりました。

それが、「CV+D+A」だそうです。

安田氏独自のコンセプトCV+D+A
  • CV=コンビニエンス(利便さ)
  • D=ディスカウント(値下げ、安さ)
  • A=アミューズメント(楽しみ)

ドン・キホーテ社では、「必要だから行く」ではなく「面白いから行く」を大切にした結果同業他社との差別化ができたそうです。

安田氏はアミューズメント性の大切さについて、便利で安いだけでは人は集まらないと記載しております。読者の方の中にも「ドンキに遊びに行く」「楽しい場所だ」というイメージのある方も多いのではないでしょうか?

所狭しと並べられた商品に、目を引くPOPなどが飾られてあり必要なものだけを買いに行く場所には留まっていませんよね。

また、小売業について下記のようにも語っています。

小売業界は人気商売なのだ
小売業界はとにかく大勢のお客様に気に入ってもらって、店に足を運んでもらわなくてはならない。なにがしかのお金を店に落としてもらう。それで商売が成り立つ。
これは舞台に立つ人々、そう、歌手や役者と同じである。自分を気に入ってもらって、劇場まで足を運んでもらって、木戸銭を払ってもらう。それで商売が成り立つ。

小売業をこのように捉えている人は少ないのではないでしょうか。

とはいえ、ドン・キホーテの商品の価格の安さは確かに大きな魅力のひとつです。
価格を安く抑える為にドン・キホーテはある仕入れの掟を徹底して実行に移しているそうです。

その他にも「5つのセオリー」があります。

ドン・キホーテ 5つのセオリー
  1. クイックレスポンス仕入先からの売り込みに対し素早く回答すること)
  2. すぐに現金を払う即金で仕入れをすべて行う)
  3. 相手にリスクを負わせない返品をせず、買い取る)
  4. ある程度まとまった量を仕入れる需要と供給のバランスを見て”ある程度)
  5. 売り込み着手容易性仕入先への手続きを簡易化させる)

いわれてみれば当たり前のようなことかもしれませんが、これを実現するためには臨機応変さが要求されます。

そのため、この方法を実行している企業はほとんどなく、これを実行できていることがドン・キホーテの強みのひとつなのです。

安田隆夫氏の経歴

ここで、次々と新しいことに挑んでいった、安田隆夫氏のプロフィールと経歴についても見ていきましょう。

安田隆夫

■プロフィール

 生年月日1949年(2020年時点で満71歳)
 出身岐阜県大垣市
 出身高校岐阜県立大垣南高等学校
 出身大学慶應義塾大学法学部

■経歴

1978年東京都新宿区に泥棒市場を開店
1980年株式会社ジャスト(現株式会社ドン・キホーテ)を設立
1989年第一号店である「ドン・キホーテ」府中店を開店
2015年6月会長兼CEOを退任
2019年1月PPIHの再び取締役(非常勤)に就任

安田隆夫氏は1949年に岐阜県大垣市にて生まれました。2015年に行われたインタビューでは学生時代は「ガキ大将」の一面も有ったが、一方で「休み時間には読書をしている」といった一面も明らかになっています。

「10代の頃、自分は社会に適合していないという劣等感があった。一方で他の人たちとは違う自信への誇りがあった。」と安田氏は言います。きっとこの他の人たちとは違う自信への誇りが、安田氏をここまで偉大な人物にさせたのでしょう。

そのような考えや気持ちから、安田氏は「俺は波瀾万丈の生き方をしたい」という強い思いを持って慶應義塾大学に進学をしました。しかし、田舎育ちであった安田氏は都会っ子が多い環境に当時は馴染めず、ドロップアウトしてしまったそうです。。

そんな安田氏が就職したのはとある中堅不動産会社。就職の理由も「早期に独立するチャンスを掴もうとしたから」と語っております。しかし就職した不動産会社はオイルショックの煽りで直ぐに倒産してしまいます。

港湾労働や新聞の拡張団で日銭を稼いで暮らしながら、やがて安田氏は処分品やサンプル品を安価で販売するビジネスにたどり着き、1978年、29歳で西荻窪に「泥棒市場」をオープンさせたのです。

ドン・キホーテの起点になったエピソード

安田氏がドン・キホーテの前身である「泥棒市場」でナイトマーケットの可能性に気が付き、やがてドンキホーテを創業するに至っています。ナイトマーケットの可能性に気付き、差別化に成功したエピソードを紹介いたします。

「泥棒市場」閉店後に安田氏が片付けをしている時、お客さんが来店しました。店内は狭く、商品を路上に積み上げ、照明つけたまま片付けをしていたことから、営業中と勘違いしたとのことです。

安田氏は喜んでお客さんに商品を売ったそうです。ちょうどコンビニが11時までしか営業していなかった時代に、コンビニより長く店を開けることで差別化を図ったのです。

今では当たり前になってしまった深夜営業も、当時は革新的な動きでした。営業中だと思い、間違えて店舗に入ってしまったお客さんにも、今のドン・キホーテの第一歩となるきっかけをくれたと思うと感謝したいですね。

今もドン・キホーテの深夜営業によって利用者たちは深夜でも欲しいものが手に入るという便利な生活を手に入れたきっかけのようなエピソードです。積極的に周りがやっていないことに恐れずチャレンジしたことが成功につながっていったのでしょう。

また、2015年には一度退任していますが、退任後もチャレンジ精神は尽きること無く、2019年2月、安田隆夫氏は取締役に復帰しました。

実は2015年の経営引退後も、ドンキの海外展開を指揮していたという安田氏。また、ユニーの買収交渉でも中心的な役割を担ったのは安田氏だった、とのことです。

株式会社ドンキホーテホールディングスは2019年2月から商号を変更し「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(略称PPIH)」となり、株式会社ドン・キホーテは連結子会社となりました。

下記が現在のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの情報です。

企業情報
  •  企業名:株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
  •  本社所在地:東京都目黒区青葉台2-19-10
  •  設立:2019年2月1日に商号変更(株式会社ドン・キホーテは連結子会社に)
  •  資本金:226億75百万円(2019年6月30日現在)
  •  売上高: 8,588億円(2020年2月期)
  •  代表者:吉田 直樹

パンパシフィックインターナショナル
つまり安田氏は株式会社ドンキホーテの取締役ではなく株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの取締役(非常勤)ということになります。

PPIHは国内・海外のディスカウント事業のみならず、不動産開発会社やITの会社、アピタ・ピアゴなどのユニー株式会社など様々な子会社を有しておりますので、安田氏はドン・キホーテのみならず、全ての事業に携わっていると考えられますね。

安田奨学財団の取り組み

安田氏の経歴に慶應義塾大学への進学と挫折について記載しましたが、そういった自身の経験が影響してか、ドン・キホーテ創業25周年という節目に「安田奨学財団」を設立しております。

この財団は経済的困難を抱える留学生を対象に奨学金支給を基本とし、他国との交流などを目標に活動を行っているそうです。

国内の留学生の数は「留学生受け入れ10万人計画」を皮切りに増加傾向にあり、2004年には11万人を超え、その結果人材育成やネットワーク形成が急務とされてきました。
これらの背景には、経済的・政治的観点が潜んでいると思われがちですが、安田氏は「文化的・人的交流を深める」という独自の目的を掲げ財団設立に踏み切ったことを公式サイトで語っております。

恐らく、自身の学生時代の苦労から留学生たちが抱える経済的困難に共感を覚え、「支援をすることで優秀な人材を育成し未来に貢献したい」と願ったのでしょう。

ドン・キホーテの口コミ・評判から見る強み

メガドンキ渋谷

さて、これまで安田隆夫氏の著書や経歴からドン・キホーテの強みを探っていましたが、利用者の実際の口コミからドン・キホーテの強みを探っていきましょう。

例えばこんな口コミを発見しました。

宝さがし気分が味わえるので、ドンキホーテは大好きです。でも、渋谷のショップはしばらく行ってないので、また行きたいですね。

場所柄、若い人の利用が多いです。ですので、商品も、あんまり生活感のあるモノよりも、ファッション関係のモノが多いように感じます。

渋谷の店舗について記載されていますが、やはり土地柄に応じて何がアミューズメントになるのか、ということはしっかり抑えた上で商品ラインアップを揃えているようですね。

渋谷店になると原宿なども近いので風変わりな商品を揃えることで売上が上がるのですね。

ドンキホーテ社はディスカウントストアですので、大量仕入れ、スケールメリットを活かした値下げがあるはずなので、高級至高の街に展開するよりも若者が集まる土地に出店するほうが効率は良いように感じます。

しかし、日本でも屈指の高級住宅地である白金台にもドンキは店舗を出店しております。アミューズメントを重要視する安田氏はどのような戦略を選択したのでしょうか。

白金台のドンキホーテについての口コミがこちらです。

24時間営業。土曜深夜、駐車場は一杯で入れず。しかし、

近くの夜中は無料で止められる路上の枠線(正式名称なんだろ)に止めることができるから良い。白を基調とした開放的な造り。上にはプラチナドンペン君が回ってる。

流れてる音楽も並んでる商品も雰囲気も他のドンキと変わらないっちゃ変わらない。違う点と言ったら、松坂牛を扱う精肉店があることや新鮮野菜を数多く扱っているところ、そして200円+税の激安弁当が売ってるところか。夜中だと松坂牛は半額で販売されている。

お客さん、身なりが良い人がちらほら。この辺りも他では見られない点か。

やはりというべきか、高級住宅街である白金台では渋谷店とは違った店舗になっているようです。

松阪牛を販売しているドンキとはあまりイメージがつきませんが、この店舗に訪れる人はなにか良いものないかな、面白いものがないかな、と店を訪れるのでしょう。

ドンキ以外の小売業について恐らく白金台にはたくさんあるはずですので、競合ひしめく中、ドンキが選ばれる様な戦略というのがこの成長の大きな要因の一つになっているようですね。

安田氏独自の経営戦略

2020年も継続して増収・増益を続け、輝かしい業績を記録し続けているドンキホーテですが、その根底には安田氏の独自の経営戦略・会社運営手法があるのかもしれません。

安田氏の経営手腕についての調査を行ったところ2008年のPresident Onlineの記事に
ドン・キホーテは35歳で従業員の年収は3倍もの差がでることがあるとの記載がございました。

ドン・キホーテでは半俸制を採用しており、成果に応じた昇進・昇給が大胆に行われる仕組みになっているようです。能力に応じて年令に関係なく昇進昇格を行い、報酬格差も大きく設定することにより「競育」と安田氏が表現する状態が作り出せるとのことです。

また、本人のやる気を出させるための手法として「どういうやり方で売上を上げるかどうかは本人の裁量に任せ、上司は口をあえて出さない」という「権限移譲」も進んでいるそうです。

このように、より売上利益を出すための取り組みと、結果に対する正当な評価制度を
整えることにより強い組織を作り上げることができているのかもしれませんね。

安田氏の最新情報

安田氏は会社経営以外にも様々な活動に尽力しています。それらの最新情報をご紹介します。随時更新していきますので注目してみてください。

緊急支援金給付

安田氏が設立した公益財団法人安田奨学財団は、この度のコロナ禍で苦しむ日本人大学生・大学院生に向けて緊急支援金を給付するようです。

コロナウイルスの影響により、日本人大学生がアルバイトもままならない事による経済困窮で退学を検討しなければならないという状況を鑑みて、緊急支援に乗り出したとのことです。詳細は下記のとおりです。

■支援金の特徴
(1)本財団では対象者の選考は行いません。対象者が支援金を必要としているか否かは大学側の判断とします
(2)支援金は給付とし、返済の義務はありません
(3)対象者の卒業後の就職、その他一切については、本人の自由とします
(4)他の奨学金等との併給についての制限はありません

■応募資格
新型コロナウイルス禍により経済的に学業継続が困難な状況に瀕していると大学が認めた日本人大学生もしくは大学院生

■採用人数
各大学10名以内(全大学合計100名以内)

■支援金額と方法
支援金額:30万円(5万円×6か月間) 支援の期間:6か月間
支援の方法:2020年8月~2021年1月までの毎月末に月額5万円を直接本人に支援します

日本の将来を担う、勉強を続ける大学生・大学院生に向けた安田氏の期待と思いやりを感じたリリースでした。

海外市場への挑戦

10月23日、ドン・キホーテを運営するPPIHから
「Pan Pacific International Club(通称PPIC)」を発足する旨が発表されました。
説明によると、
「PPICは日本の農水畜産物輸出拡大を目的に、
生産者とPPIHグループの会員で構成された組織」を意味するそうです。

東京・帝国ホテルでの発足会にて安田氏自ら「最後の社会的使命」と語る
PPICの活動とは具体的にどのようなものなのでしょう?

■PPICの目的
・国産農水畜産物の成長促進エンジンの安定化
・安定した出荷先の確保
・出荷価格が市場や天候に左右される課題の解消

■PPICの活動とメリット
・会員は海外店舗出荷の商談に参加可能
・商品出荷を継続することで安定化が図れる
・PPIHのPOSデータ(※)を活用し海外のマーケット情報を提供
・↑により作付・製造計画のサポートが受けられる
※「Point Of Sales=販売時点」の略で、店のレジでバーコードの情報が読み取られ、
商品の支払いが終了した時点のデータを指す

■対象
・生鮮食品に携わる事業者・団体

退任後シンガポールに移住した安田氏は、
日本の食品が現地の一般的な価格の2~4倍で販売されている現実を目の当たりにし、
またその裏に「ハーモニープライス」というカラクリが潜んでいることを知ると、
これを打破すべくPPIC発足へ動き出したそうです。

2017年にASEAN地域に初進出して以降、海外進出を加速させているPPIHは、
新型コロナウイルス流行下にあっても右肩上がりの業績が見込まれています。このままいけば、間違いなくPPICの取り組みは業績拡大に貢献するだけではなく、
日本に留まらず世界中が抱える輸出、食品問題を解決する糸口となり得るかもしれません。

既刊紹介

安田氏の生い立ち等、人生エピソードについては、
これまでに出版された書籍にも詳しく記載されています。
ここでは、安田氏の書籍をご紹介しましょう。

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生

こちら、2015年に文集新書より出版されました。
紹介文には「驚異の“26期連続増収増益”ドンキホーテはいかにして生まれたか?」と記載されているので、恐らくドン・キホーテが成長するまでのエピソードや安田氏のユニークな経験と経営論などが主な内容なのでしょう。
特に印象的なのは、夜中に荷解きをしていた際、飲み会帰りのサラリーマンに話しかけられたことで安田氏が得たとあるヒントにまつわるエピソードです。
消費者の生活に根ざした商品を販売するドン・キホーテの生みの親ならではのエピソード、という印象を受けました。

情熱商人 ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論

こちら、2013年に月泉博氏との共著として出版されました。
ドン・キホーテ設立までとそこに関わる安田氏の経験談がメインの一冊となっています。
紹介文にはこう書かれています。

ドン・キホーテ創業者安田隆夫氏が、三十有余年にわたる商業者としての
体験の中で会得した小売業の極意と本質

また、「若き商人への熱いメッセージ」という一文についても注目したいです。

SNSやIT技術を活用すれば学生でも起業できてしまう時代に生きる若者にとって、
安田氏のやり方は多少奇妙にうつるでしょうが、
ドン・キホーテや消費者目線にかける情熱を知れば、そこから多くを学べる…
というメッセージが込められた一冊なのかもしれません。

ドン・キホーテ 闘魂経営

こちら、「情熱商人 ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論」と同様、
月泉氏との共著として2005年に徳間書店より出版されました。
流通界の風雲児と呼ばれる安田氏が、数々の経営危機やバッシング等ドン底状態を
如何にして乗り越えてきたのか、そこに込められたひたむきな「はらわた力」を
読み解く内容になっているようです。

昨今の就職・転職の場ではスキルばかりが重視される傾向にあります。
しかしそれ以上に何かを最後までやり抜くには、
諦めないための「人間力」が不可欠であることを、きっとこの著書から学べるでしょう。

ドン.キホーテの「4次元」ビジネス―新業態創造への闘い

こちら、2000年に広美出版事業部より出版されました。
バブル崩壊後の景気低迷、人員削減、リストラ…逆境の時代を
「常識破壊企業」と呼ばれたドン・キホーテはどう生き抜いてきたか、
何故驚異的な成長が実現したのか、数々の謎の答えや独自の方法論が記載されています。

不安定な状況を乗り越えるには、古い常識を覆し、
新しい仕組みをつくらなければならず、だからこそ、
敢えて逆境を乗り越え道を切り開かんとする安田氏の姿勢から、
経営論だけではく人間力も学べるでしょう。

流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ

こちら、1997年に広美出版事業部より出版されました。
以下説明文です。

“話題のスーパーコンビニ「ドン・キホーテ」はなぜ驚異的成長を実現できたのか。創業者が初めて公開する成功への人間学と実践手法。ビジネス自己実現を可能にする超発想法。”

上記説明文を見るに、ビジネス書というより、自己啓発書の方が近いかもしれません。
ほかの著書からも安田氏の人間力を学ぶことは可能ですが、『流通革命への破天荒な挑戦』を読めば、仕事と向き合うための精神テクニックをより具体的に掴めるでしょう。

以上、これまでに出版された安田氏の著書計5冊を紹介しました。
例えば、以下の悩みを抱えた方々に非常に最適な内容が記されています。

・0からビジネスを立ち上げるため経営者の経験談に目を通したい方
・現在手掛けているビジネスが下降気味のため突破口となるヒントが欲しい方

もちろん、多くの方々に安田氏の著書を手に取って欲しいところではあるものの、特に経営に関する知識や経験が乏しい方にオススメしたいですね。
何故なら、安田氏自身が経営初心者でありながら「ドン・キホーテ」を一代で築き上げたからに他ありません。

 

インタビュー記事

安田氏の経営論や人柄を理解するには、「既刊紹介」に掲載した著書を読む以外に、イン
タビュー記事に目を通す方法をオススメしたいです。
ネットで検索すれば安田氏のインタビュー記事を無料で読めるので、著書購入の前に事前
知識として取り入れておくのも良いでしょう。
以下、安田氏のインタビュー記事が掲載されたURLと内容をまとめたので、是非参考にし
てみてください。

常識と戦い続け、流通革命に挑む / ドン・キホーテ

こちら、2008年1月に「DREAM GATE」というメディアに掲載された記事です。
この記事では、アウトサイダーを地で行く青春期から、常識と戦いドン・キホーテを立ち
上げるまでの経緯がまとめられています。

特に興味深いのが、大学時代のエピソードです。
慶応という一流大学入学を機に上京した安田氏は、勉学より「働く」ことに惹かれた自身
の体験について次のように語っています。

“振幅の激しいことをやっていると、ある時、振り子が真ん中に戻って、嘘のようにバラン
スが取れるということを、経験したような気がしますね”

常識や他人の言葉に決して惑わされず、自分の道は自分で決め、苦労を厭わず突き進んで
いく安田氏の原点が垣間見える一文です。

ドンキホーテHD、米国で「持ち帰り総菜」店舗展開へ

こちら、ドン・キホーテの一部事業がアメリカ進出する旨をまとめた記事で、2014年に発行されたようです。
記事によると、買収済みのマルカイの一部店舗を活用し、日本食惣菜の持ち帰り販売に特化した店舗展開を翌年スタートする、という内容が記載されていました。
マルカイとは、2013年に買収した日系スーパーを指し、ドン・キホーテとはまた異なる新しい店舗名を冠する商店として展開するというのが、当時安田氏が思い描いていた構図になります。

当時、ドン・キホーテはハワイ・南カルフォルニアを中心に、マルカイを含めた海外展開は10数店舗に及び、安田氏は次の展開についてアメリカ本土を視野に入れつつ、アジア進出について「(海外では問屋システムがないため)多種多様な品ぞろえをすることは難しい」と述べています。
ちなみに、アジア進出についてはその後調べてみたところ、既に数店舗が展開されているだけではなく、2021年にはマレーシア出店が実施されるとのこと。

マルカイ買収、出店の目的について安田氏は「オリエンタル・モバイル・フーズと言っているが、要するに総菜・中食。米国では、それをきちんと供給している店が非常に少ない。個人でできるような屋台の店と専門的なスキルを必要とする店の中間がない」とし、「それに特化した店舗を作る」と語ったことから、海外市場ではなかなか満たせない中間的なニーズをドン・キホーテ独自のメリットで満たすことこそ真の狙いであり成長戦略のひとつなのでは…という印象を受けました。

中小企業から大企業へと生まれ変わるための絶対条件。部下への権限移譲が社長の自己表現への王道だ!

こちら、ビジネスの第一線で活躍する経営者へのインタビュー記事が中心のWEBメディアにて2013年に掲載されたもののようです。
タイトルの通り、テーマはドン・キホーテの成長物語が中心ですが、そこには安田氏の「飾らない戦略」が鍵となっている事実がこの記事からより鮮明に見えてきました。
例えば、このような一文があります。

“伸びる経営者を見極めることは難しいと思うが、ダメになっていく経営者なら、私はすぐわかる。その特徴は3つだ。
第一に見栄っ張りであり、小さな成功で、小さな虚栄心を満足させようとすること。(中略)“

確かに、一定の収入額を超え、所謂成功者と呼ばれるランクまで昇りつめた人間なら、「すべて自分の努力と実力の結果だ」という慢心に溺れても無理はありません。そこから更に切磋琢磨できればまた違うのでしょうが、安田氏の言うように、「小さな虚栄を満足させ」てしまっては、その先の成長は難しいのでは…。

” (中略)だが上場したときに、当社は社会的な存在になったのだから、「オレが、オレが」ではなくて現場の人たちを立てることに専念しよう、皆の応援団になろうと切り替えたのである。“

企業全体がステップアップする上で重要なのは、リーダーが存在感を必要以上にアピールすることではなく、潔く下の世代にバトンを渡す姿勢を示せるかどうかであり、これこそ安田氏が掲げる「飾らない戦略」なのでしょう。

【ドンキ安田】これから日本は、さらに「ディスカウント化」する

こちら、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」から2019年11月に発信された記事になります。
(会員制のため全文確認は不可能でしたが、序文だけでも非常に興味深く、また登録後一ヶ月無料キャンペーンが受けられるため、試しに利用してみては→https://newspicks.com/

この記事は「小売の帝王が帰ってきた──。」からはじまるため、タイトル通り安田氏の復帰の真相をテーマにインタビューの様子がまとめられているのでしょう。
日本国内に留まらず、海外でも独自のビジネスを展開、その多くを成功に導いてきただけあって基盤は盤石のはずなのに、それでも前線で動こうとする安田氏がいるからこそ、この企業はまた新たなチャレンジに邁進できるのだと、「復帰」の二文字から感じとれました。
また、記事の概要には

“特集の後編では、Eコマース時代の小売の未来図や、海外展開。そしてドンキの強さの根幹であるプライシングについて、たっぷりと語ってもらった。”

とあるように、安田氏が思い描く今後についてもフォーカスしているため、例えばここからコロナウイルスが与えた経済への打撃をどう乗り越えていくのかというヒントを掴めるかもしれません。
現状のピンチをどうチャンスに変えるか…「継続」を選んだ安田氏にしか導けない答えがここにはあるのでしょう。

検証まとめ

さて、ここまで安田隆夫氏の生まれから創業、成功に至るまでの経営哲学などを口コミを交えて紹介してきましたが、やはりコンセプトであるCV+D+Aが根幹にあり、おもしろいから店舗に行ってみようと消費者を動機づけしたことが一番の強みになっているようですね。

どんな企業も最初は小さな店舗で始まり、商売のノウハウを少しずつためて成功への道を進んでいくのですね。

泥棒市場というネーミングセンスや、本に記載されていた数々の語録は今後流通業界、小売業界に関係する人たちのみならず、多くの人に影響を与えるでしょうね。

今後注目していきたいのは海外への店舗進出とM&Aによる事業規模拡大です。より出店する地域の方々に楽しみを与えられる店舗にするには今の商品ラインアップや展示方法以外にも様々トライできる所はあるようがしてなりません。

ディスカウントストアの業界では世界ではウォルマートという圧倒的な大手企業が存在しておりますが、海外にてDONKIの名前が知れ渡るようになる日がいつか来るような気がします。

実際に、安田隆夫氏が取締役に復帰してからますます海外展開を進めています。これから店舗を訪れる方も創業した安田氏が何を大切にして創り上げた店舗なのかということに注目して、レイアウトや店内の仕掛けを楽しんでみてはいかがでしょうか。