この記事では創業家・松本智氏の人物像について解説します。
松本智氏は株式会社ファーストナースや株式会社ヴァティーの創業者として知られ、現在も数々の事業を手掛けている人物です。
そんな松本智氏ですが、名前を聞いたことはあってもどんな人なのかわからない人も多いでしょう。
実は、多くの企業を立ち上げてきた実績を持つ松本智氏には、家族思いな一面もあったのです。
そこで今回は、創業家・松本智氏の人物像からこれまでの歴史、さらに介護事業に挑戦したきっかけなどをご紹介します。
この記事を読めば松本智氏がどんな人なのか、これまでどのような事業を手掛けてきたのかがわかります。
目次
松本智氏の人物像とこれまでの歴史

松本智氏は若い頃から企業に強い関心を持ち、大学時代には商売を始めて経営の感覚を養いました。卒業後には不動産会社を立ち上げ、経営者としての歩みを本格化させます。
しかし、当時の経済情勢は大きく変化し、負債を抱えてしまいましたが、事業を継続しながら責任を果たし、経営者としての姿勢を貫いたのです。
松本氏にとって不動産事業での経験は、後の挑戦へとつながる重要な基盤となりました。
ここからは松本智氏がこれまでに歩んできた歴史や取り組みを見ていきます。
不動産事業で培われた経営哲学
松本智氏は、不動産事業での経験から、経営におけるリスク管理とキャッシュフローの優先順位の重要性を痛感したと語ります。バブル崩壊の影響で市場が急速に冷え込む中、資産を手放しても借金が残るという危機的な状況に陥りました。
しかし、松本智氏は事業を諦めることなく、徹底した資金管理と支出の見直しを行いながら返済を続けました。事業継続の過程で、利益以上に資金の流れ(キャッシュフロー)を重視し、事業の存続を最優先するという現実的な経営感覚を身につけたそうです。
結果的に、全ての債務を自力で完済し、経営者としての信用を守り抜きました。この不動産事業での苦い経験を通じて、松本智氏はキャッシュフローの重要性を深く理解し、経営の安定には日々の資金循環の把握が不可欠であると学びます。
松本智氏にとって、不動産事業で得た経験は「生き抜く力」であり、堅実かつ持続的な成長を追求する経営スタイルを確立する原点となりました。この苦難の中で培われた精神性と現実的な経営哲学が、松本智氏の事業の根幹ともいえるでしょう。
飲食事業での再起
不動産事業での試練を乗り越えた松本智氏は、2002年に飲食業へと新たな挑戦を始めます。未知の業界でしたが、松本智氏は自ら現場に立ち、顧客の声を直接聞きながら改善に取り組みました。開業当初は赤字が続いたものの、約2年で黒字化を実現します。
松本智氏が採用したのは、「ドミナント方式」と呼ばれる地域集中出店戦略です。特定エリアに複数店舗を集中展開させることで、仕入れや物流、人材教育の効率化(スケールメリットの追求)を図りました。
この方法により店舗同士が互いに支え合う体制を築き、地域全体でブランド力を確立しました。ドミナント方式は、経営学的に見てもスケールメリットと地域最適化を両立させた優れた戦略です。
また、松本智氏は従業員との信頼関係づくりにも注力し、現場の意見を尊重する経営を実践しました。こちらの現場主義の考えは、後に介護事業を拡大する際にも重要な礎として受け継がれます。
「人」を中心に据え、現場を大切にする経営哲学こそが、松本智氏の事業成功の根底にある揺るぎない信念なのでしょう。
松本智氏が介護事業を始めたきっかけ

松本智氏が介護事業に参入するきっかけとなったのは、祖母の存在でした。
飲食事業が軌道に乗っていた時期、祖母が入退院を繰り返すようになり、そのサポートを続けるなかで、介護サービスの現状に課題を感じるようになったのです。
飲食事業を続けながら介護事業を始めるのは簡単ではありませんが、挑戦する原動力になりました。
介護事業拡大と仕組みづくり
介護事業を立ち上げた当初、松本智氏は赤字経営という厳しい状況に直面しました。
しかし、飲食事業で積み重ねてきた経営のノウハウを応用し、わずか1年で黒字転換を果たします。
飲食事業と同様にドミナント方式を採用し、介護事業でも施設同士が連携して職員やサービスを補い合える点が大きな強みです。
ドミナント方式によって効率的な運営が可能になり、入居者にとっても安定した介護サービスが受けられる環境が整いました。
さらに、利用料金を月額11万〜13万円に抑えることで、地域の高齢者が無理なく入居できるよう配慮しています。
こうした工夫が評価され、2022年4月にはサービス付き高齢者向け住宅の供給戸数ランキングで全国4位という実績を記録しています。
経営戦略と社会的ニーズの両面を意識した取り組みが、事業を支え拡大しているのです。
株式会社ファーストナース・株式会社ヴァティーの会社概要

松本智氏は介護事業の他に訪問看護事業も手掛けています。
ここでは、松本智氏が創業した株式会社ファーストナースと株式会社ヴァティーの会社概要をご紹介しましょう。
株式会社ファーストナースの会社概要
社名:株式会社ファーストナース
代表取締役:橋本真奈歩
事業内容:訪問看護
設立日:2010年8月30日
所在地:
東京本社 東京都港区新橋2丁目12-16明和ビル4階
東京事務所 東京都港区西新橋1丁目5-10アマノビル6階
訪問看護事業部 埼玉県熊谷市桜木町1-65ホクシンビル2階
株式会社ファーストナースは2010年に設立された企業です。
利用者や家族に寄り添い、愛し、幸せになっていただくことや、夢・希望・勇気を届けて自殺者をゼロにすることなどを事業の目的に掲げています。
本社は東京都にありますが、訪問看護ステーションは関東エリアだけでなく全国各地に置かれています。
また、事業内容は訪問看護となっていますが、精神科の訪問看護に特化したサービスが特徴です。
株式会社ヴァティーの会社概要
社名:株式会社ヴァティー
代表者:小林孝幸
事業内容:介護事業
設立日:2002年1月18日
所在地:本店 東京都港区西新橋1-15-4 銀泉西新橋ビル8階
株式会社ヴァティーは、主に介護事業を手掛ける企業です。
デイサービスやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、介護付き有料老人ホームなどの施設を運営しています。
施設は関東を中心に、中部エリアや東北エリアまで広がっています。
ホスピタリティあふれる社会を目指し、高齢者の方が豊かに生活できるよう支援することが事業コンセプトです。
訪問看護ステーション「あやめ」のサービス内容

松本智氏は祖母の介護をきっかけに介護事業へと参入しましたが、その後精神科に特化した訪問看護事業もスタートしています。
ファーストナースが運営する訪問看護ステーション「あやめ」は、どのような看護サービスを提供しているのか、簡単にご紹介していきましょう。
訪問看護ステーション「あやめ」では、基本となるサービスに加えてあやめ独自のサービスも提供しています。
基本となるサービスは以下の6つです。
・服薬管理
・健康管理
・生活相談
・対人関係についての相談
・病気に関するお悩み
・各種申請援助
利用者の自宅を訪問し、健康管理から生活で困ったことがあった場合の相談にも乗ってもらうことができます。
また、あやめが独自に提供するサービスは以下のとおりです。
・交通費廃止
・相談員の配置
・訪問内容のメール送信サービス(希望者のみ)
訪問サービスでは基本的に訪問してくれる人の交通費を支払うことになりますが、あやめでは交通費を廃止しており、コストを抑えて訪問看護サービスを受けられます。
また、各ステーションで各種申請や更新手続きなどを無料でサポートする相談員を配置していたり、利用者の家族や医療・行政・福祉などの担当者に向けて訪問内容のメールを送信したりするサービスも展開しています。
まとめ

今回は、松本智氏がどんな人物なのか、また現在手掛けている介護事業・訪問看護事業についてご紹介してきました。
10代の頃から会社の立ち上げを考えており、大学在学中からあらゆる商売を経験してきた松本智氏は、現在介護事業・訪問看護事業に力を入れています。
多くの企業を立ち上げた実績を活かし、全国に数多くの介護施設を設立してきました。
根っからの起業家気質でありながら、入退院を繰り返していた祖母をきっかけに介護事業を始めたということもあり、家族思いな一面も見えてきました。
今後も松本智氏は介護事業・訪問看護事業などに注力していくと考えられるため、これからの動向にも注目してみましょう。









