株式会社テクノクリエイティブは、IT事業におけるさまざまな専門分野のスペシャリストたちが活躍する「総合エンジニアリング企業」です。
システム開発などのソフトウェア、ネットワーク・サーバーといったIT環境基盤のインフラ分野、国内外の製造業における設計開発・製造などのハードウェア分野を専門とし、順調に業績を伸ばしています。
高い技術力と確かな信頼、豊富な経験をもとにしたクリエイティブ(創造力)を強みとするテクノクリエイティブは、どんな会社なのでしょうか?
今回の記事では、2023年11月13日に公表された2023年9月期の決算短信や、実際に働く社員の口コミ・評判を紐解き、テクノクリエイティブの将来性などを探ってみました。
目次
「シリコンアイランド」の九州で誕生し、上場企業に成長
テクノクリエイティブは、「シリコンアイランド」として知られる九州地方発の会社です。2022年11月には東京証券取引所(TOKYO PRO Market)に上場しています。
創業当初は人材派遣事業が中心だったものの、現在はモノづくりの会社としての道を歩んでいます。
会社概要は以下の通りです。
社名 | 株式会社テクノクリエイティブ(techno-creative Co.,LTD.) |
---|---|
設立 | 1999年9月2日 |
事業内容 | システムインテグレーション、エンジニアリング |
代表取締役 | 三嶋 一秀 |
資本金 | 5,000万円 |
本社 | 〒862-0954 熊本県熊本市中央区神水2丁目9-1 |
テクノクリエイティブは熊本本社のほか、東京、名古屋、大阪、福岡、北九州、大分、広川の8都市に支社・支店、開発センターなどを構えています。
また、半導体生産受託生産の世界最大手であるTSMC(台湾積体電路製造)の熊本進出に伴い、周辺地域で自社工場(ファクトリーセンター)の新設計画を進めています。
2023年9月期は営業利益、当期純利益が倍増!
では、テクノクリエイティブの上場後の業績は、どのように推移しているのでしょうか?
テクノクリエイティブが公表しているIR情報をもとに、最新の2023年9月期と前期(2022年9月期)の決算短信を比較してみましょう。
2022年9月期 | 2023年9月期 | 対前期増減率 | |
売上高 | 5,752 | 6,250 | 8.7% |
営業利益 | 226 | 455 | 101.2% |
経常利益 | 243 | 458 | 88.3% |
当期純利益 | 138 | 298 | 115.3% |
(単位:百万円)
営業利益と当期純利益は前期から2倍以上となり、経常利益も大幅に増えています。
ちなみに、テクノクリエイティブの公式サイトに掲載されている情報によると、この5年間における売上高の成長率は195.5%という驚異的な実績です。
テクノクリエイティブは業績が好調な要因について、DX需要の底堅さに加え、AI・セキュリティ関連・老朽化したシステムの刷新などIT案件の拡大基調が続いていることを挙げています。
こうした追い風を受けては、生産拠点の増設や生産体制の強化など、全社を挙げた事業基盤の構築を継続しています。
エンジニアリング領域では、ファクトリーセンター大津の新設と同時に、生産の効率化と品質管理面を強化したことで国内メーカーからの外製化案件の受注が拡大しました。
また、システムインテグレーション領域では、福岡支社・開発センターの増設とともに、拠点を超えた 開発体制を強化したことで、都市圏からのニアショア(※)開発案件の受注が拡大しています。
※部分的または全部の開発業務を、比較的近い距離の企業に外注すること。
次期は売上高70億円達成へ
テクノクリエイティブの主要取引先は、IoTやAI、5Gの普及、そして自動車やスマートフォン、データセンター向け需要の拡大によって順調に増えています。
今後もこうした潮流は続くと見られ、さらに加速する可能性も十分考えられます。
テクノクリエイティブは、エンジニアリング領域における国内メーカーからの外製化案件の受注増を目指し、新たなファクトリーセンターの開設を予定しています。
固定資産の取得から積極的な投資をしており、ROEを意識していることがうかがえます。
半導体市場において、日本は半導体素材のシェア高い状態です。
テクノクリエイティブこの市場において利益を内部留保として貯め込むのではなく、積極的に投資を行いさらなる成長に向けて事業運営していることがわかります。
システムインテグレーション領域については都市圏からのニアショア開発案件のさらなる受注増を目指し、各開発センター間における拠点を超えた開発体制の連携と品質管理体制の強化を計画しています。
このような環境のもと、2024年9月期の業績見通しについては、売上高70億円(前年同期比 12.0%増)、営業利益5億9970万円(前年同期比31.6%増)、経常利益6億393万円(前年同期比31.6%増)、当期純利益 3億3669万円(前年同期比12.7%増)と、さらなる成長を予想しています。
社員の口コミ・評判は?
テクノクリエイティブは「知恵と想像力により、人に感動を与える企業」というチャレンジングな理念を掲げ、エンジニア業界の最先端をひた走っています。
業績も右肩上がりの上場企業で働く社員の満足感や充実感が大きいことは容易に推察されますが、具体的にどんな良さを感じながら働いているのでしょうか?
実際に上がっている声の一部を抜粋します。
「自由に仕事をさせてもらえる」
社員の力を信用して自由に仕事をさせてもらえると感じており、意見や考えを各部署に伝えやすい
引用元:Story #01 | 新卒採用サイト | 株式会社テクノクリエイティブ (techno-creative.co.jp)
仕事に対する個人の裁量権が大きく、風通しの良い環境が整っていることが分かります。
テクノクリエイティブが手掛けている年間の案件数は5,000件近くに上りますが、自由闊達な組織風土が各プロジェクトの円滑な進展に結び付いていると感じます。
「入社1年目から安心して仕事ができた」
社会人としての基礎を教えてくれる社員研修と、同じ開発チームでいろいろな知識や技術を教えてくれた先輩がそばにいてくれたのは本当に心強く、入社1年目から安心して仕事ができた
引用元:Story #02 | 新卒採用サイト | 株式会社テクノクリエイティブ (tStory #02 | 新卒採用サイト | 株式会社テクノクリエイティブechno-creative.co.jp)
IT業界は日々進化しているため、社員は常に新しい技術を学び、チャレンジしなければなりません。創業から一貫して「人」を大切にしているテクノクリエイティブでは、経験豊富な社員と若手社員が融合して進化できる体制が整っていることが伝わってきます。
「開発業務の施設が充実」
半導体業界に携わりたいなら、開発業務の施設も新しく開設しているため、技術などを身につける場がたくさんある
引用元:テクノクリエイティブの社員クチコミ・評判の一覧(17件)|Yahoo!しごとカタログ
幅広い分野の開発業務を推進し、顧客へのサービスを向上させるためには、開発拠点の充実が欠かせません。テクノクリエイティブは、全国の開発センター・ファクトリーセンターで最先端の技術を駆使したプロジェクトに取り組んでいます。
まとめ
ここまで、テクノクリエイティブの業績推移や社員の口コミ・評判を深掘りしてきました。
さまざまなデータと証言から、テクノクリエイティブが秘める将来性の高さを理解できたのではないでしょうか?
あるWebメディアのインタビュー記事で、三嶋代表取締役は次のように語っています。
「変化の激しい今の時代に企業が成長していくためには、常にチャレンジしていかなければならないというのが私の考え方です。(中略)今回の上場はあくまでも通過点であり、これからもさらに上を目指していきます」
経済産業省の発表によると、2020年に約50兆円だった世界の半導体の市場規模は、10年後の2030年には約100兆円に膨らむと見込まれています。
このような中、テクノクリエイティブは顧客企業の経営戦略や業務課題など、あらゆる状況変化に柔軟に対応する新時代のビジネスインテグレーションサービスを提供する姿勢を打ち出しています。
ソフトからハードまで幅広い分野の自社製品開発に力を注ぐテクノクリエイティブが、どのような社会課題を解決に導いていくのか、注目度はますます高まるばかりです。