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不動産投資で理想的な利回りとは?シミュレーションで見えてくること

【本記事においてはアフィリエイトやその他の収益を目的として、試供品または取材費をいただいて記事を掲載しています】


不動産投資を始めてみたものの、なかなか思うような収益を上げられずに悩んでいる人もいるでしょう。
しっかりと収益を上げて、不動産投資を成功させるためには利回りについてシミュレーションを行うべきです。
不動産投資で理想的な利回りの目安を考えてみましょう。

不動産投資における利回りの考え方

不動産投資においては、「表面利回り」と「実質利回り」の2つの利回りがあります。
表面利回りは、年間家賃収入から物件価格を割ったパーセンテージで算出します。
実質利回りは、管理費や税金などを考慮した上で計算を行います。
表面利回りが良くても、実際には様々な費用が発生して実質利回りが悪いというケースもあります。
固定資産税、火災保険、管理修繕費、手数料などの経費を考慮して実質利回りを計算してみましょう。
不動産投資を行う場合は、2つの利回りの計算方法を理解しておくことが大切です。

2つの利回りをシミュレーションする

例として、物件価格の違う2件で利回りのシミュレーションを行ってみましょう。

【物件A】
取得価格が高いものの、家賃も高く設定できるエリアにある物件
・物件の取得価格:2,600万円
・管理費:6,800円/月
・修繕積立金:1,000円/月
・集金代行手数料:2,965円/月
・固定資産税:60,000円/年
・家賃金額:91,500円/月

【物件B】
取得価格が安い分、家賃が低いエリアの物件を想定
・物件の取得価格:1,500万円
・管理費:6,800円/月
・修繕積立金:1,000円/月
・集金代行手数料:1,620円/月
・固定資産税:50,000円/年
・家賃金額50,000円/月

以上の購入条件と賃貸条件で、月々の家賃と支出の合計を基に年間収支を算出してみます。

物件Aの場合…家賃収入1,098,000円、支出189,180円、収入908,820円
物件Bの場合…家賃収入600,000円、支出163,040円、収入436,960円

以上から、表面利回りと実質利回りのシミュレーションを行います。

表面利回り=(年間家賃収入÷物件価格)×100

物件A…(1,098,000円÷26,000,000円)×100=4.22%
物件B…(600,000円÷15,000,000円)×100=4.00%

実質利回り={(年間家賃収入-年間支出)÷物件価格}×100

物件A…{(1,098,000円-189,180円)÷26,000,000円}×100=3.49%
物件B…{(600,000円-163,040円)÷15,000,000円}×100=2.91%

2つの利回りを計算してシミュレーションしてみると、表面利回りでは大きな差がなかった2つの物件でも、実質利回りでは大きな差が生じています。
物件の取得価格が安く、しかも家賃が高く設定できれば利回りは当然ながら良くなります。
しかし、家賃を高く設定できる物件は、立地が良く、設備も充実しているはずです。
つまり、家賃を高く設定できる物件はそれなりの金額を出さなければ手に入らないと考えて良いでしょう。
相場と比較して利回りがよい物件は、想定している家賃で継続的に入居者が獲得できるかをしっかりと見極めることが必要となります。
加えて、表面利回りだけを見て物件の取得価格が安い場合も注意すべきポイントがあります。
物件の取得金額が安くても、管理費や修繕費なども安くなるわけではありません。
そのため、実質利回りが良くないケースが生じることを理解しておきましょう。

市場データを基に利回りをチェックする

不動産投資の利回りをシミュレーションする場合には、市場データをチェックして平均的な利回りを把握します。
自分が所有している物件が、エリアの平均的な利回りから乖離していないかどうかを知っておきましょう。

・東京都内の駅近物件の利回り
ワンルームマンションが人気の港区・品川区・目黒区・大田区なら期待利回りは4.5%です。
墨田区・江東区は4.8%となります。

・地方都市の不動産利回り
ワンルームタイプでさいたま・千葉・京都、福岡が5.5%、仙台が5.9%、札幌が6.0%です。
大阪・横浜は5.2%が平均的な利回りとなります。

不動産投資で理想的な利回りは?

実際の不動産投資では、どの程度の利回りが理想的と言えるのでしょうか?
都内の一般的な不動産投資であれば、理想は表面利回りで3~3.5%です。
もちろん、利回りは高いことが理想的でしょう。
それでも、少し低めの3~3.5%が理想と言えることには理由があります。
まず、高い利回りに惑わされて選んだ物件は、空室リスクに備えることを後回しにしているケースが多くなります。
つまり、エリア内にある他の物件と比較して、取得価格が安い物件を選ぶことで高い利回りを得ようと考えている場合です。
家賃設定も、エリア内にある他の物件と同等に設定してしまう傾向もあります。
しかし、不動産投資では投資先の不動産に継続的に入居者が入ることが収益の基本です。
同じエリア内から、入居したい物件を選ぶ側の立場に立って考えれば、同じ家賃なら少しでも条件が良い物件を選ぶことは明白でしょう。
利回りを高くするために物件の取得価格を抑えることを優先するより、入居者に選んでもらえる物件を探すことが大切です。
空室リスクを考慮しながら、利回り3~3.5%を目指すことをおすすめします。

不動産投資で成功するためには、様々なノウハウがあります。
理想的な利回りを理解して、しっかりとシミュレーションを行って収益を上げていきましょう。